こちらでは、当教室が雑誌に取り上げられた際に行われた記者様との対談インタビューを掲載しております。内容は、私や当教室の書道や指導に対する考え方に関するものとなっておりますので、是非ご一読ください。
ホームページや広告もなしに、口コミや紹介だけで生徒が集まり続ける北村雅倢書道教室。その代表、北村雅倢(きたむらがしょう)先生に、書道に対する考え方や、教室での指導についての方針をおうかがいしました。
(※この取材は、旧北村雅倢書道教室ブログ(アメーバブログ)設置前に行っていただいたものです。)
ーまずは、北村雅倢先生が書道を始めたきっかけを教えてください。
北村雅倢(以下、北村):私自身が結婚を機に、家庭に入ったことで、今までと比べて、外界との関わり、というものがぷっつりと切れてしまったと感じていました。そこで、身体に負担をかけず、今後にも役立つ実用性のある習い事を始めたいと考えたのがきっかけでした。
ープロフィールにある“青潮書道会白宮社”というのは、どのような会派でしょうか?
北村:まず、驚かれる方が多いのですが、いわゆる“書道○段”というのは、日本全国で統一の基準があるわけではなく、各会派がそれぞれの基準で勝手に認定しているものなんです。その中でも、青潮書道会は古典を重んじた、基礎を重んじた、正統派の会派です。そして白宮社は、本当に基礎を徹底し、それができて初めて、自分の作品を作ることができると考えている会派です。
ーそこで得られたものは何でしたか?
北村:まずは新しい人との関わりですね。やはり、完全に家庭に入ってしまうと、社会に置いて行かれてしまっているような感覚になってしまっていましたので。また、技術としては基礎の技術を重視し、そこから作品を構成するようになりました。あとは、美術館等の芸術鑑賞に対しても非常に積極的になりました。
ーそれまでは美術館に行くようなタイプではなかった?
北村:お恥ずかしながら、そういうタイプではありませんでした。元々はソフトテニスなどの、身体を動かすのが好きなタイプでした。でも、書道という芸術に関わるようになってからは、書道以外の芸術に対しても、観るのが面白い、と思うようになりました。極端な話ですと、芸術だけではなく、景色に対しても敏感になったと思います。
ー“美しい”と感じることに敏感になった、というイメージでしょうか?
北村:はい、そういうことだと思います。
ーでは、次に、北村先生が書道を教えようと考えたきっかけを教えてください。
北村:プロフィールにも載せさせていただいておりますが、私自身、教員免許を持ち、子供の成長に関わることができるのはとても幸せでした。家庭に入ったことにより、教育の道からは離れることになりましたが、子育ても一段落したことで、時間が持てるようになったことがきっかけです。
ーそれでは、子供に対する指導では、どのようなことを重要視していますか?
北村:私の中では「真剣に、楽しく」書道をやってもらえたら、と思って指導を行っております。もちろん、技術的な意味で、変な癖をつけないように、美しい字を書けるように等、いくらでも大切なことはありますが、子供にはまず、「真剣に、楽しく」してもらうことを心がけています。
ーそこから、子供たちにはどんな風に成長してもらいたいですか?
北村:もちろん、大人になっても書道を楽しんで続けてもらいたいですね。でも、実際は学校が変わるタイミングで書道を辞めてしまう子供は多いです。それでも、当教室で培った集中力や、読みやすい字を、今後に活かしてもらえれば十分だと考えています。欲を言えば、子供たちが成長して、私のように自分から、書道をまた始めようかな、と思ってもらえれば、とても嬉しいですね。
ー書道の指導者として、子供の保護者に伝えたいことなどはありますか?
北村:はい、やはり物事に集中して、何かを行う、という経験はとても大切で、特にそれが座学であれば尚のこと、お子様の今後に活かせるものだと考えております。また、同時に字を書くことがない人生はありませんので、是非とも美しい字が書けるように、お手伝いさせていただければ、と思います。
ー北村先生は、親子での入会を勧めていますが、どのような理由からですか?
北村:子供の習い事で最も教育効果が高いとされているのはピアノです。他にもいくつか、教育効果が高い習い事はありますが、習い事の多くは、子供と大人が一緒に始めることが難しいかと思います。しかし、書道は、大人と子供が一緒に始めることができる習い事です。お子様に習い事を、と考えていただけるような教育に熱心な保護者様にお願いしたいことは、お子様と共通の話題を持って、会話をしていただきたい、ということです。できれば、一緒に食卓につき、TVを消して、話をしていただきたいのです。その話題の一つとして、共通の習い事があればいいな、と私は考えております。
そしてもう一つ、是非お子様が真剣に作品に向き合っている姿を見てあげて欲しい、と思っております。書道は学校のテスト等とは違い、お子様の頑張りが必ず、作品に反映されます。お子様の頑張りを、数字ではなく過程を、見てあげて欲しいというのが、私が親子での入会を勧める理由です。
ーでは、北村先生のように、大人になって書道を始める人に対しては、どうお考えですか?
北村:大人になってから書道を始める方は、明確な目的を持って始められる方が多いですね。社会人の方であれば、毛筆ではなくボールペンで綺麗な字を書けるようになりたい。私のような主婦の方であれば、新しいことを始めたい、等色々な目的があると思います。そういった明確な目的をお持ちの方は、やはり上達が早い方が多いですね。私としては、せっかく始めていただいた書道で、日本の伝統的な文化でもあるので、身体に負担のない終生の趣味として楽しめるぐらい好きになってもらえたら嬉しく思います。
ー今回、ホームページを設置される、ということですが、どういった心境の変化があったのでしょうか?
北村:ありがたいことに、当教室では特に宣伝等を行わなくても、生徒さんが生徒さんを連れて来てくれる、ということが続いておりました。しかし、その生徒さんから「もっと早くこの教室のことを知りたかった」という声を頂くことが多く、私自身、機械が苦手だから、と逃げてばかりではダメだな、と腹を括った、というのが実際のところです。(笑)
ー最後に、北村先生が、書道を教えていて喜びを感じるのは、どんな時でしょうか?
北村:それは、子供でも、大人でも、書道がきっかけの成功を報告してくれた時ですね。子供は本当に色々な話をしてくれます。教室で作った作品が写真版になったり、賞を取ったりしたことだけではなく、学校でお友達からノートが見やすいと言われた、授業の習字で褒められた等の話をしてくれると、私も嬉しくなります。大人の方でもやはり、お客様の前で字を書くことに抵抗が無くなった、冠婚葬祭の記帳で緊張せずに済んだ等言っていただけて、とても嬉しく感じております。